2008/05/04

常陸太田「慈久庵」



これまた久しぶりの更新ですが、前回に続いて蕎麦屋巡りです。今回はGWという時期もあって渋滞覚悟で茨城の北側にある奥久慈方面に行ってみました。地元でも生産していますが、常陸太田や常陸大宮の方が有名な常陸秋そばを使用した蕎麦が食べたく、予てから訪れたいと思っていた評判の高い「慈久庵」に行ってみました。かつては東京の阿佐ヶ谷に店を構えていたそうですが、旧水府村(現常陸太田市)の竜神峡近くに移られたようです。

その竜神峡では毎年恒例の鯉のぼり祭りが開催されていた為、長閑な田舎道が大渋滞して辿り着くのにかなりの時間を要してしまいましたね。丁度12:30を過ぎた辺りで先に1組が待っていただけで意外とすんなりと席に着くことができました。店内はご主人がひとりで切り盛りされていて、すべての行為に時間を要求されました。時間に余裕がないと耐えられない環境かと思われます。是非はあるかもしれませんが、こういうのもアリかと思います。

ただ、待っている間は店の庭にでて奥久慈の原風景や野草を観ているだけでも時間が過ぎていましたね。その間ご主人は恐ろしくテキパキと捌き、他のお客さんの注文された蕎麦の説明を丁寧にされていてちょっと感動しました。そしてようやく出されたのが、野草の天ぷらと山葵のお浸し、せいろそばです。山葵のお浸しは非常にさっぱりしていて、食欲を引き立てる役目を担い、野草の天ぷらは“ぎしぎし”、“すかんぽ”、“のびる”、“葉桜”を使った衝撃的な味でした。すべて初めて食べる野草で、“ぎしぎし”のもっちりとした感触と“すかんぽ”の程よい食感はクセになりそうです。そして肝心の蕎麦ですが、待たされた甲斐がありました。蕎麦の香りが口に含むと広がって、嚼むと更にいっそう広がり身体全体に染み渡る感じを受けました。清涼感溢れる喉ごしの良さが渋滞で疲れた身体を癒してくれましたね。そばつゆも程よい辛さで蕎麦の持ち味を巧く引き出しています。

旧水府村の長閑な原風景と清涼感ある蕎麦を食べに定期的に訪れたい店かと思います。
新そばの季節がイイですね。

慈久庵 (じきゅうあん) (そば / 常陸太田市その他)
★★★★★ 5.0


常陸太田「焼畑そば 慈久庵」
住所:茨城県常陸太田市天下野町2162
TEL: 0294-70-6290
営業時間: (昼)11:30~14:30 (夜)17:30~19:30
定休日:水曜日・木曜日

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