2009/08/28

木曽「時香忘」






長野旅行3日目に訪れたのがここ「時香忘」です。先回エントリの「あさかわ」同様雑誌などで訪れたいお店としてかなり意識していました。おかげで旅行のスケジュールとしてはかなり強行なものになりましたが、滅多に行く土地ではないので勢いが大事かと思い行ってみました(笑)

前日宿泊した乗鞍高原から野麦峠など長閑な道を2時間程度走り、木曽に辿り着いたのが開店30分前。安曇野の「あさかわ」と同じく、周辺を散策しつつ、緑で覆い茂った山林道を小気味よく駆け抜けるバイクと、さらに疾風の如くバイクを追い抜く白バイにキップを切られる光景を目の当たりにして時間を潰していると開店時間となり、お店に通して貰いました。このお店の造形はかなり凝っていて、駐車場からお店までのエントランス部分が長く、庭や外の景色を充分に堪能できる設計になっています。自然が多く広大な土地だからこそできる仕掛けですね。素晴らしいです。

今回セレクトしたのは雑誌等で食してみたいと思っていた「夜明け蕎麦」がなかった為、山ゴボウの一種である“おやまぼくち”をつなぎに使った「もり蕎麦@1260円」と「いか墨そば@1785円」の2種類です。蕎麦粉は信濃1号を超粗挽きしたものを使い、この粉に対し0.12%“おやまぼくち”をつなぎにしているそうです。ご主人はつなぎなしでも打てるそうですが、喉ごしの為に“おやまぼくち”を使っているとのことで相当なこだわりをもっているのが理解できます。もうひとつセレクトしたかわり蕎麦と言える「いか墨蕎麦」はイカスミ臭さが本わさびと大根おろしと大根の千切りをかき混ぜることで相殺され、かなりコクのある蕎麦とは思えない味が強烈に印象に残りましたよ。イカスミのパスタとはまた異なった味で、これは意外とイイかも知れません。個人的にかなり気に入りました。また蕎麦前に香草を塗したベーコンを頼みましたが、ハーブの香りが蕎麦の香りを壊すと感じる場合もある為、蕎麦のあとが良いとアドバイスを頂き蕎麦湯と一緒に味わいました。蕎麦湯は自分好みのポタージュ系で、重層的でありながら諄くはないつゆと絶妙にマッチしていて〆まで一貫したご主人のこだわりを堪能しました。こだわり系ですが押しつけがましくはないので、好きずきはあるもののオススメできるお店かと思います。

帰り間際に茨城から来たことを告げると帰り道の水分補給にと木曽の天然水を頂いたのは嬉しい誤算でした。

時香忘 (そば / )
★★★★ 4.5

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